立ち回りの言語化、そのメリット
はじめに
立ち回りを詳しく言語化したり経験則から場の正解を導き出したりと、立ち回りを練るにあたってそのタイプは様々です。そんな中で、僕は言語化が強くなる近道であると感じています。自分が思う言語化のメリットを3つ簡単にまとめてみました。
- 詳しい自己分析・強化の可能性
- 動きの理由づけ
- 反省のしやすさ
いずれも僕が普段考えることですが、その大きなヒントはすまみやこ主催のLYCさん(@LYC_DUCKHUNT)からいただいています。言語化の仕方については後日別に記事を上げる予定です。
詳しい自己分析・強化の可能性
強くなるためには、ただひたすらに戦うのではなく分析が欠かせないと思っています。他の人のプレイを見るのはもちろんのこと、自分のプレイを分析していくことは大きな成長への第一歩でしょう。分析内容を明文化することで得られるのは次のようなことだと考えています。
自己分析が容易になる
まずは自分の立ち回りのタイプを知っておくこと、これがプレイを通じて自分を高めるのに必要だと思っています。「攻撃的」「堅実」といった何となくの分類から一歩踏み込み、「コンボ始動を通すのが上手い」「ニュートラルの動きが常に堅実」といった具体的な長所を把握します。成長において、その強みをまずは伸ばそうと思える訳です。
同様に短所も一歩踏み込んで明文化すると、なんとなく「火力が低い」原因が「崖展開で火力を稼げていない」ことや「コンボが正確さに欠ける」ことなど明らかになり、意識する点が絞られてきます。
自己分析を言語化して深めるほど、成長のための短期的な目標が見つかりやすくなります。
強さの理由を自分のものにできる
上位勢が強いのはなぜでしょうか。うまいプレイヤーの動きをなんとか自分に取り込みたいと思ったとき、強さの理由を理解することが第一歩です。
「堅実」なのは「低リスクな技の押しつけがうまい」からか、「引き行動がうまい」からか、それとも「複数の択を同時に潰すことが多い」からか。一つの要素を分解してみると、多方向から具体的な理由が考えられます。そして分解した要素のうち、「低リスクな技の押しつけ」なら自分にもできそうだと思えばそれを取り込んで行けばいいわけです。
プレイが上手いことにも理由があり、自分のものにできる要素も多々あります。言語化によりその理解が簡単になります。
動きの理由付け
立ち回りで振っている技に、意味を持たせているでしょうか。振る技の理由付けにより、立ち回りの質は格段に上がります。
無根拠な技をなくす
例えば「とりあえず差し込みで空Nを振る」ことと「空Nが低リスクかつハイリターンなコンボ始動技だから差し込みで空Nを振る」ことは大きく異なると思っています。
前者は「空N」の強さを明確に理解していないため、これが通らなくなったときに何をすればいいのか分からなくなります。技の長所、短所を理解できていないため、そもそもなぜこれを振るべきなのか、どういう場面で振ってはいけないのかが分からないのです。これに対して「空N」を振る根拠を理解していれば、これが通らなくとも他の低リスクな技や展開を維持できる技を選択しやすくなります。
何も考えずに技を振ることは、成長の阻害にも繋がり得ます。言語化を通じて、技に意味を持たせ、自分の動きの根拠を求めることは大きく自分にプラスになると思います。
「通ったけど実はダメな技」が分かる
横スマッシュを通して勝った時、次の試合も同じように横スマッシュを振って勝てるでしょうか。なぜ横スマッシュが通ったのかを考え、それが相手の偶然のミスが原因だった場合、もう一度振るべきではないかもしれません。
「もし外していてもリスクが少なかった」「ハイリスクハイリターンだが、自分の%は低く相手の%は高いので振った」というような理由が見つかった場合、おそらくそれはもう一度振ってもいいスマッシュでしょう。しかし「当れば勝てたがそれ以外に堅実なやり方はあった」という場合、そのスマッシュは必要なかったかもしれません。
通ったからといって必ずしも正しいわけではなく、他のよりよい動き方があった可能性が言語化により見つかりやすくなります。
反省のしやすさ
勝てない状態の脱出
なんか調子が悪くて勝てない。なぜか以前より勝てなくなった。こんな状態に陥る方は少なからずいるでしょう。何となく続けていたらまた勝てるようになった、となることが多いですが、また同じ状態になった時にすぐ脱することが可能だと断言できるでしょうか。
「負けに不思議の負けなし」というように、勝てないところには必ず理由があります。まずは勝てない時の自分のプレイを言語化し、勝てているときとの差異を明確にすることが成長の助けとなる、そう感じています。言語化による自己分析を重ねることで負け自体にも価値を感じられ、より一層自分のプレイを高めようと思えることもあるかもしれません。
改善点の明確化
反省するときは、まずはぼんやりと「勝てているときよりも食らう回数が多い」といった大きな枠組みから捉え、ではなぜそうなるのかと突き詰めていきます。「勝ち急ぐために雑な差し込みが増えている」と分かれば、「常に落ち着いて立ち回る」ことを意識すればいいのです。
言語化の一番の利点は分析内容を明確にできることです。それは反省に最も活かしやすく、自分のプレイにおいても意識することでその効果を最大限に発揮します。